尋常性白斑
尋常性白斑
尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)は、端的に言えば、皮膚の色が部分的に白くなる疾患です。表皮にはメラニンという色素が存在し、肌色をつくっています。そのメラニンを作る細胞をメラノサイトと言います。尋常性白斑は、主に自己免疫(自分の免疫が自分の細胞を攻撃すること)によって、メラノサイトが障害され、白斑が生じると言われています。痛みや痒みはないですが、見た目で悩む人が多いです。時間が長く経過するほど治りにくく、早期の診断と治療が大切です。
尋常性白斑の明確な原因は完全には解明されていませんが、主に自己免疫機序によって発症するという説が多くの研究で支持されています。すなわち、自分の体の免疫が誤って自分のメラノサイトを攻撃してしまうというものです。他にも、遺伝的要因も関与しており、家族内での発症例も報告されています。また、甲状腺疾患や膠原病、糖尿病などの疾患を合併することもあり、これらの疾患との関連性も指摘されています。
主な症状は、境界が明瞭な白斑が皮膚に出現することです。白斑は顔、手足、肘や膝などの関節部、外陰部など、体のどこにでも現れる可能性があります。頭部に生じた場合、白斑部分の毛髪も白くなることがあります。多くの場合、痛みやかゆみなどの自覚症状はありませんが、見た目が気になり受診される方は多いです。
尋常性白斑の診断は、主に問診と視診によって行います。尋常性白斑は他の自己免疫疾患を合併することも多く、他の疾患が隠れていないか評価するために、初診時に採血を行うことがあります。また、白斑を呈する他の疾患の鑑別は重要です。必要に応じて顕微鏡検査、採血、皮膚生検を行うことがあります。
尋常性白斑の治療には、紫外線療法(エキシマライト)が有効です。その他、外用薬も用いられます。
当院ではエキシマライトを使用した紫外線療法を行っています。308nmの波長の紫外線を病変部に照射するターゲット型の治療法です。すでに知られているように、紫外線は色素沈着を誘導します。尋常性白斑に対しては外用のみでの治療は難しく、紫外線療法が有効で第一選択の治療法です。照射時間は数秒から数十秒程度です。週2回の通院が理想ですが、1~2週間の間隔でも効果があります。
尋常性白斑の病態における自己免疫の関与は大きく、ステロイド外用薬を処方することがありますが、基本的には紫外線療法と併用することが多いです。
主に治療方針が大きく異なるものを以下に挙げました。
マラセチア菌という真菌による表皮への感染症です。多くは褐色斑を呈することが多いですが、中には白斑を呈する場合もあり、そのケースでは鑑別になります。疑わしい場合は顕微鏡検査を行います。治療は抗真菌薬の外用です。
梅毒トレポネーマという細菌による感染症です。第2期梅毒の症状として白斑を生じることがあります。疑わしい場合は採血を行います。治療はペニシリン系抗菌薬が有効です。詳細は梅毒をご覧ください。
主に陰部に生じる皮膚の悪性腫瘍です。症状として赤みや白斑を生じます。陰部に白斑がある場合に鑑別になります。疑わしい場合は皮膚生検を行います。治療は外科的切除や放射線療法などの専門的治療が必要です。
TOP