多汗症|市川駅前いぶち皮膚科|皮膚科・小児皮膚科・アレルギー科・美容皮膚科

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多汗症

多汗症|市川駅前いぶち皮膚科|皮膚科・小児皮膚科・アレルギー科・美容皮膚科

多汗症とは

汗は本来、体温を調節するために必要な生理現象です。多汗症(たかんしょう)とは、体温調節に必要な量以上の汗が出てしまう状態のことです。暑い環境や運動時だけでなく、日常生活の中で特に理由がないにもかかわらず大量の汗が出ることが特徴です。主に手のひら、足の裏、脇、顔などに症状が現れやすく、日常生活に支障をきたすことがあります。
「手のひらの汗が多く、紙やスマートフォンが濡れる」「脇汗が目立ち、衣服に汗じみができる」「足の裏に汗をかきやすく、靴の中が蒸れる」「汗のにおいが気になる」「市販の制汗剤で改善しない」などのお悩み・症状があればご相談ください。適切な診断と治療を行うことで、症状の軽減が期待できるため、汗の悩みを我慢せず皮膚科へ相談することが大切です。

多汗症の原因・分類

多汗症の発症には、自律神経(交感神経)の過剰な働きが関与していると考えられています。汗腺は交感神経によってコントロールされており、何らかの原因でその働きが過敏になると、必要以上に汗が分泌される状態になります。多汗症は基礎疾患の有無によって、続発性多汗症原発性多汗症に分類されます。
続発性多汗症は、薬剤、甲状腺疾患、糖尿病、神経疾患などの基礎疾患を背景に生じる多汗症で、この場合は、原因となる疾患の治療が必要になります。
原発性多汗症は、明確な原因疾患がなく生じる多汗症で、体質や遺伝的要因が関係していると考えられています。精神的な緊張やストレスが引き金となり、症状が強く現れることも少なくありません。以下では原発性多汗症について記載します。

多汗症の診断

局所的に過剰な発汗が、明らかな原因がないまま、6か月以上認められ、下記の6項目の症状のうち2項目以上当てはまる場合に、原発性多汗症と診断されます。したがって、汗をかく原因となる疾患がないことを確認するため採血を行うことがあります(基礎疾患がある場合は治療方針が異なるため)。

  1. 発症が25歳以下である
  2. 左右対称性に発汗がみられる
  3. 睡眠中は発汗が止まっている
  4. 1週間に1回以上の多汗のエピソードがある
  5. 家族歴がみられる
  6. それらにより日常生活に支障をきたす

多汗症の重症度分類

多汗症の重症度は、下記のHDSS(Hyperhidrosis Disease Severity Scale)で評価し、3・4を重症とすることが多いです。

  1. 発汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない
  2. 発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある
  3. 発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある
  4. 発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある

多汗症の治療

多汗症の治療は主に、外用薬、内服薬、ボトックス注射(自費治療)です。

外用薬

ラピフォートワイプ(原発性腋窩多汗症に保険適用)

個包装のシート状の外用薬で、1日1回就寝前に使用します。1枚で両脇に使用します。使い切りタイプのため衛生的かつ使いやすく、持ち運びに便利なのが特徴です。9歳以上から使用可能です。

エクロックゲル(原発性腋窩多汗症に保険適用)

ゲル状の外用薬で、1日1回就寝前に塗布します。透明なゲルで塗り広げやすく、塗布量を調整できるのが特徴です。12歳以上から使用可能です。

アポハイドローション(原発性手掌多汗症に保険適用)

ローションタイプの外用薬で、1日1回就寝前に手のひらに塗布します。1回の塗布量は、両手のひらに対して5プッシュ分が目安です。手のひら専用の製剤で、さらっとしたローションタイプで、手のひらに塗り広げやすいのが特徴です。12歳以上から使用可能です。

発汗は、アセチルコリンが汗腺(汗を出すもととなるもの)へ結合することで起こりますが、上記の3剤はいずれも、汗腺へのアセチルコリンの結合を阻害する(抗コリン作用)ことで、発汗を抑制します。使用タイミングは就寝前を推奨しています。発汗が少ない夜に使用すると薬剤の浸透が高まり、日中に効きやすいためです。朝や日中に使うと、汗や摩擦で薬が取れてしまったり、眼や口に付着し副作用が出やすくなったりすることがあります。なお、抗コリン作用によって、緑内障、前立腺肥大症が悪化するおそれがあるため、これらの疾患のある方には処方できません。また、いずれの薬剤も約2週間で効果が出てくると言われています。大きな副作用がなければ、2週間は毎日継続することが大切です。

塩化アルミニウム製剤

塩化アルミニウムを有効成分とする外用薬で、保険適用外(自費)となります。塩化アルミニウムが皮膚表面で汗の管の出口を塞ぐことにより発汗を抑制します。1日1回就寝前に塗布します。腋窩、手のひらのほか、足の裏、顔、頭など、症状がある部位に使用できます。使用する塩化アルミニウムの濃度は、部位や症状に応じて調整します。なお、副作用として、皮膚刺激やかぶれを生じることがあります。継続して塗布することで効果が発揮されるため、大きな副作用がなければ、2週間は毎日継続することが大切です。

内服薬

プロ・バンサイン(プロパンテリン臭化物)

多汗症に保険適用となる内服薬で、抗コリン作用により発汗を抑える働きがあります。1回1錠を1日3回内服します。主に、全身または上半身など広い範囲に多汗がみられる場合に処方されます。内服後、比較的早く効果が出ますが、効果の出方や持続時間には個人差があります。なお、抗コリン作用があるため、緑内障、前立腺肥大症がある方には処方できません。

グランダキシン(トフィソパム)

各種自律神経症状に対して保険適用となる内服薬で、多汗症の治療目的で使用されることがあります。1回1錠を1日3回内服します。主に、全身または上半身など広い範囲に多汗がみられる場合に処方されます。症状や体調に応じて、使用の可否や内服方法を判断します。

漢方薬

防己黄耆湯、白虎加人参湯、加味逍遥散など

これらの漢方薬は、他の治療と組み合わせることで症状緩和に役立つことがあります。効果が現れるまでには数か月かかることが多く、継続的な服用が重要です。

ボトックス注射(自費治療)

外用薬などの効果が十分に認められない場合に、ボトックス注射が選択肢になります。ボトックスによりアセチルコリンの放出が抑制されることで、発汗を抑制します。通常2,3日~1週間程度で効果が現れ始め、約3~6か月程度持続します。脇の多汗(腋窩多汗症)に対して注射することが多いですが、必要に応じて、手のひらや足の裏、頭皮にも注射することができます。詳細はボトックス注射をご覧ください。

その他

イオントフォレーシス

水道水を入れた容器に手足を浸し、微弱な電流を流すことで発汗を抑制する治療法です。手掌多汗症や足底多汗症に有効で、週に数回の治療を継続することで効果が得られます。

交感神経遮断術

胸部の交感神経を切断または焼灼する外科的手術です。手掌多汗症に対して高い効果が期待できますが、代償性発汗(手術後に他の部位の発汗が増加すること)などの副作用のリスクがあるため、慎重な適応判断が必要です。

いずれの治療も当院では行っておらず、治療適用と判断した場合は専門医療機関へご紹介いたします。

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